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冒険心をくすぐるプチ滝登りも! 水しぶきを楽しみながら歩く「六甲山・大池地獄谷」ザブザブ沢歩きルポ 【前編】

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  • 六甲山北斜面の「大池地獄谷」は小滝が連続する美しい沢
  • 小滝
  • 沢専用シューズ
  • 水晶山第四砂防ダム
  • 道標のある道
  • 高架手前の分岐点
  • 神鉄大池駅前

阪神間の都市部に隣接する六甲山。瀬戸内海国立公園の一部で、市街地のすぐ裏手にありながら、標高は1000mクラス(正確には最高峰が931m)という、緑豊かな山です。

日本百名山のひとつでもあり、京阪神一円からはもとより、遠方からの登山者も意外と多く、広く人気を集めています。

東西約30km、南北約10kmの細長い山塊は、市街地に囲まれていることもあり、交通アクセスの良さも大きな特徴。よりアクセスが楽な南斜面から登る人が圧倒的に多いのですが、山地の北側にも鉄道が通っており、北斜面からも登れます。

こちらは玄人好みのマイナーコースが多い一方、人が少ないので、静かな山歩きを楽しめるのが魅力です。今回は、その北斜面にある「地獄谷」コースをご紹介します。

起点となるのは、神戸電鉄大池駅。住宅街の中にある静かな駅です。

六甲山は「地獄」だらけ?

実は、六甲山には「地獄谷」がいくつもあります。

東六甲エリア、芦屋ロックガーデンのすぐ西側を流れる「地獄谷」。六甲山地の中央付近で、山上レジャー施設などがあるガーデンテラス付近へ突き上げる「大月地獄谷」。そして、今回ご紹介する北斜面の「地獄谷」。

地図には記載されていませんが、ほかにも地元で「地獄谷」と呼ばれている沢筋が、筆者が知っているだけでもあと2か所。さらに有馬温泉には「鳥地獄」「虫地獄」というスポットもあるなど、このエリアの「地獄」率はなかなかのものです。

今回の北斜面の「地獄谷」は、ほかと区別するために「大池地獄谷」とも呼ばれています。

スマホの力を借りて登山口まで向かう

大池駅から登山口まで、徒歩30分近く。起伏のある住宅街で、道は案外、複雑です。

かつては街中遭難してしまい、登山口に到達できなかった、という話もよく聞きましたが、今はスマホのおかげで、迷うことも少なくなったようです。

かく言う私も、今回は地図アプリに案内してもらいました。

東大池地区と西大池地区の間を南下して、阪神高速の高架が見えるあたりに、右へ下る階段が現れます。親切な道標がつけられているので安心です。

ここから高架下をくぐり抜け、いよいよ登山道に入ります。

「大池地獄谷」のハイキングコースは主に3つ

今回は谷筋を忠実にたどる、沢ルートを進みます。

ほかに、谷の両側に伸びる尾根(上流に向かって右側は地獄谷西尾根、左側は地獄谷東尾根)を通るルートもあります。

谷筋を進む沢ルートは、雨の後など、増水して通行できなかったり、危険な状態になっていたりする場合も。状況によっては尾根ルートへ向かいましょう。

はじめは沢から少し離れた左岸側の、とてもなだらかな道を行きます。しばらくすると西尾根へ登る道との分岐がありますが、このまま沢ルートを進みます。

流れの右手(左岸)側に道が続いています。

沢が近づいてくると、いい感じの小滝が現れます。緑陰の中に続く道は沢風が吹いて、とても涼しく快適。

大きな砂防堰堤の手前で沢を渡って、堰堤上へと続く急斜面を登ります。

前述したように、雨の後などはルートの一部である、「水晶山第四砂防ダム」の上流側の登山道が水没していることがあります。そのため、堰堤上から巻き道がつけられています。

ただ、あまり歩きやすい道ではないので、渇水期は沢ルートを進むのがおすすめ。水量にもよりますが、濡れてもよい足回りなら、沢通しに登る方が楽です。