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「ひとり登山」や「水遊び」に潜む落とし穴 夏のレジャー、油断は禁物

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遭難最多は長野・北海道・東京 『道迷い』が主因

山岳遭難は令和6年に全国で2946件発生し、遭難者数は3357人にのぼりました。件数・人数ともに前年より減少しているものの、依然として高水準で推移しています。死者・行方不明者は300人、負傷者は1390人、無事救助された人は1667人でした。

警察庁報道資料発表「令和6年における山岳遭難の概況等」より、遭難者数の推移を示すグラフ

もっとも遭難が多かったのは長野県(321件)、次いで北海道(189件)、東京都と神奈川県(各183件)でした。富士山や高尾山など、観光地として知られる山での遭難も増加傾向にあります。

遭難の原因は「道迷い」(30.4%)が最多で、「転倒」(20.0%)、「滑落」(17.2%)が続きました。登山を目的とする事例がもっとも多く、次いで山菜・キノコ採りが挙げられています。年齢別では40歳以上が全体の79.8%、60歳以上が50.0%を占めています。とくに単独登山者の死亡率は高く、複数人での登山と比較して約2倍の危険性があるとされています。

登山道にある「滑落注意」の喚起看板

警察庁は登山計画の提出や装備の準備、天候の判断、道迷い対策などを挙げ、登山者に対して安全意識の向上を強く呼びかけています。

まもなく夏休みを迎え、海や山など自然の中で過ごす機会が増える季節となります。その一方で、事故のリスクも高まる時期でもあります。水辺や登山では、わずかな油断が命にかかわることがあります。

今回の統計が示すように事故は年齢や経験に関係なく、誰にでも起こり得ます。天候や地形の把握やライフジャケットの着用、適切な装備と計画など、基本的な備えを怠らないことが重要です。

自然を安心して楽しむためにも家族や仲間と安全意識を共有し、一人ひとりがリスクを意識した行動を心がけましょう。

◆警察庁報道資料発表「令和6年における山岳遭難・水難の概況等について」
https://www.npa.go.jp/news/release/2025/20250612001.html/news/release/2025/2025061