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猛暑が終わってこれから活発化? 近年被害が広がるマダニの危険性とその対処方法とは

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マダニ被害に遭わないためには?

マダニが生息しているのは、野山の草むらやヤブなど。これまでは西日本の、という限定がついていましたが、今や全国的に注意が必要だと思います。季節としては、かつては「6月頃〜9月いっぱいが活動期」とされていましたが、近年は3月に食いついているのを見たことがあるし、気温的に11月頃までは要注意だと思います。山じゃなく、市街地の公園で食いつかれた話も聞いています。

ササヤブ

マダニは、ササなどの葉っぱの裏で待ち構えていて、動物が通りかかると取付いて、じっくり吸血できる場所を求めて体表面をうろうろ歩きます。脱落しにくく、かつ皮膚の柔らかいところを狙うので、咬まれるのは衣服に覆われた場所が多いようです。

ササ

よく、マダニに関する注意喚起の文章で、「皮膚を露出しないこと」と書かれているのですが、蚊とは違ってもぐりこんでくるので、露出していなければ大丈夫ということはありません。マダニ咬まれ歴5回のベテラン(?)である筆者が思うに、裾などから入ってきて、じっくり時間をかけて吸血場所を選定するようです。野山にいるときにすぐ咬まれるわけじゃなくて、時間差があると思います。

なので、まずは「マダニがつきにくくする」ことと、万一衣服内に入っている場合に備えて「帰宅後にお風呂でしっかりチェックする」こと。ダブルでしっかり対策をすることで、かなりリスクを下げることができるのではないかと思っています。現に、今年は暑い季節にヤブ山をうろうろしまくった割に、一度も食われていません。

ひとつめの「つきにくくする」方法ですが、暑くない季節は物理的防御が有効です。表面がつるつるしているレインウェアなどを着込み、足元にはゲイターをつけると防御力がアップします(すそ周りには虫除けスプレーを併用)。

暑い季節はそんなことをしていると熱中症になるので、薬剤=虫除けスプレーでの防御がメインに。
ズボンの裾と靴下、靴、そして上衣のすそ、袖口などに虫除けスプレーをしっかり振りかけておきます。

刺激に弱くても安心なおすすめ虫除けスプレー

ちなみに虫除けスプレーでおすすめなのは「イカリジン」。日本では2015年に新しく承認された成分です。以前からある「ディート」も効果は高いのですが、12歳以下の子どもには使用制限があり、6カ月未満の乳児には使用禁止となっています。

また、マダニに対しては、ディートは10%以上の濃度で効果があるとされていますが、そのレベルのものは刺激が強く、筆者のように皮膚が弱い人は使えません。

さらに、化学繊維やプラスチック製品を劣化させることがあるため、ウェアの上から使いにくいというデメリットがあります。高性能で高価なアウトドアウェアがダメになるのは困りますよね。

筆者のような過敏症でも、イカリジンなら刺激がないので大丈夫です。

ただし、サシバエやノミは、イカリジンでは防げないので、その点だけ注意が必要。でも、あまり山にそれらはいないので、筆者はイカリジン一択です。

イカリジン

次回は、対策をしていても咬まれてしまったときにどうすればいいのかを解説します。

虫地獄