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猛暑が終わってこれから活発化? マダニに噛まれた後にするべき行動とは

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マダニ対策の新兵器「マダニリムーバー」

皮膚に取付いたマダニを安全に除去できる「TickTwister」(ティックツイスター)というアイテムがあります。フランスの獣医師が開発した器具で、世界で4000万個も販売されているそう。ちょっと前から一部界隈で話題になっていたので、筆者も導入してみることにしました。

TickTwister

カラビナ付きのケースに入ったタイプをチョイス。ミニサイズのくぎ抜きのおもちゃみたいな形をしたプラスチック製品で、皮膚とマダニの間にそっと差し込んで、ねじを抜くみたいな要領で回転させながら引き抜くそうです。

TickTwister

マダニの口器は、逆針のような構造になっていて、まっすぐ引き抜こうとしても強い抵抗があるのですが、回転させることで容易に抜くことができるのだとか。
幸いコレを導入してから、まだ一度もマダニに取り付かれていないので、実際の使用感についてはレポートできないのですが、お守り代わりに持ち歩いています。ポイズンリムーバーも持って歩いてるし、クマ鈴とココヘリもぶらさげてるし、バックパック周りがお守り系アイテムでうるさいことになってるな……。

バックパック

「SFTS」について

「SFTS」とは、「重症熱性血小板減少症候群」の略称。イノシシやシカなどの野生動物が感染していることがあり、これらから吸血をしたマダニがウィルスを媒介するため、感染エリアでマダニに咬まれるとヒトに感染することがあります。

しかし、すべてのマダニがウィルスを持っているわけではないので、咬まれた=発症、とはなりません。また、ウィルスを持っているマダニに咬まれても、コロナと同じで発症しない人もいます。感染すると、6日~2週間程度の潜伏期間の後、発熱や倦怠感、おう吐、下痢などの症状が現れます。これらの症状は、ノロウイルスや熱中症と似ているため、受診してもSFTSとわからないことも多いとか。

そして、放置して重症化すると死に至ることもあります。厚生労働省によると、国内でSFTSと診断された患者のうち、死亡した患者の割合は27%。致死率30%に近い感染症って、かなり恐ろしいですよね。

治療薬はあるので、マダニに咬まれないように用心を怠らないことと、野外で活動したあとに体調がおかしくなったら、受診の際に、いつごろどこにでかけたかを伝えてください。

また、ペットにも注意が必要で、ネコやイヌが感染するケースも近年増えていて、診療を行った獣医師が感染して亡くなるという事例も起きています。イヌの散歩のときには草むらに入らないように注意し、ネコは室内飼いにするなど、大事なペットも守りましょう。

10年ほど前までは、SFTSによる死亡例は、西日本のエリア限定で、しかも発症するのは70代以上くらいの高齢者だけでした。しかし、今年度の発生状況を見ると、件数が過去最多となっているだけでなく、関東や北海道でも発生しています。若年者の症例もあるので、地域や年齢に関係なく注意した方がよさそうです。これから気候が良くなってきて、山へ行く頻度も高くなる季節ですが、くれぐれも油断なさいませんよう。

秋山