不快感を減らしてメンテをラクにする対策と考えよう

ということで、自分でできる登山靴まわりの防水・防汚対策としては、まず「事前に防水スプレーをしておくこと」。そして、「現地ではスパッツを使って、雨や汚れ、小石の侵入などから守る」のが基本となります。スパッツはとてもコンパクトに持ち運べるので、バックパックの取り出しやすいところに入れておきましょう。

ただ、アウトドアに出かけるわけですから、どんなに対策をしていても、汚れるときは汚れてしまいます。そのため、あまり完璧は求めずに、登山中の不快感を減らしたり、帰ってからのメンテナンスを少しでもラクにしたりするための対策と考えたほうがいいでしょう。

「登山でシューズが汚れてしまったときは、下山した際に汚れを落とせる場所があれば、そこを利用するのがおすすめです」（難波さん）。また、帰りの電車でシューズの汚れが気になるなら、多少荷物にはなりますが、予備のスニーカーやリカバリーサンダルなどを用意しておくなど、ほかにも対策は考えられます。

事前にきちんと準備をしておき、汚れてしまったときの対処法も想定しておけば、より安心して登山やハイキングを楽しむことができるでしょう。

【取材協力】
石井スポーツ 登山本店（東京都千代田区神田神保町1-6-1 タキイ東京ビル2階）
https://www.ishii-sports.com/shop/honten/

難波花英さん
【プロフィール】大学時代にワンダーフォーゲル部に所属し、登山に夢中になる。最も感動した山は、日本三霊山である白山（石川県）。シューズ選びの専門家「JAFT認定 スポーツシューフィッター」の資格を持ち、日々、登山の魅力や装備の重要性を多くの人に発信している。