ハーブと聞くと、多くの人がラベンダーやミントなど西洋の香草を思い浮かべますが、本来は生活に役立つすべての有用植物を指します。日本にも、古くから薬味、薬草、香料として人々に親しまれてきた有用植物があります。それらの有用植物を西洋のハーブと区別して、「和ハーブ」という言葉が浸透してきました。
庭やベランダを彩る植物の中には、観賞価値が高いだけでなく、古くから健康を支えてきた「和ハーブ」としての側面を持つものが数多くあります。野草として愛されてきた日本のハーブは、その素朴な美しさから、和風の庭やナチュラルガーデンにもよく馴染みます。
今回は、ガーデンで美しさを楽しみつつ、いざという時に役立つ効能も兼ね備えた、日本の代表的な和ハーブを5種類ご紹介します。
傷にも貼れる万能和ハーブ【ヨモギ】
春先の若葉が食用としても親しまれているヨモギは、昔から親しまれてきた薬草です。ヨモギは、止血や外傷治療の効能で知られています。野外で軽い切り傷や虫刺されをしたときなど、生葉を揉んで傷口に貼るだけで、痛みを鎮めてくれると言われています。

また、ヨモギ餅に代表されるように以前から食用としても親しまれ、乾燥したものがお茶として売り出されています。葉の裏側が白い綿毛に覆われていて、この綿毛がお灸で使うモグサになります。
風に揺れる姿はリーフプランツとしても使え、景色に奥行きを与えます。ただし繁殖力が強いので、鉢や仕切りで管理するのがおすすめです。花は下の写真のように鑑賞向きとはいえませんが、趣を感じたい人にはオススメです。

日陰を彩り炎症を鎮めるハーブ【ユキノシタ】
ユキノシタは、シェードガーデンのグランドカバーとして最適な常緑の多年草です。丸く可愛らしい葉はリーフプランツとしても使えますが、この葉は、民間療法において非常に有名です。
生葉をもんだり、火で炙って柔らかくしたものを貼ることで、虫刺されや、かぶれなどの炎症を鎮める効果があるとされています。おまけにおひたしや、天ぷらなどで食べられるので、いざという時に役立つ、実用的なグリーンとして活躍してくれます。

初夏に咲く花は下の写真のようにユニークな形で涼しげな印象を与えてくれます。しかし筆者の家では勝手に生えてきて、どんどん広がっているので直植えする人は広がり過ぎに要注意です。

即効性の高さが名前の由来【ゲンノショウコ】
ゲンノショウコは、ピンクや白の可愛らしい花を、夏から秋にかけて咲かせる姿が魅力的な植物です。秋には葉が赤く染まり、季節の移ろいを静かに教えてくれます。

「煎じて飲むと効き目がすぐに現れる」ことから、「現の証拠(ゲンノショウコ)」と名付けられました。下痢止めや整腸の目的で、古くから民間薬として重宝されてきました。
半分程度まで煮詰めると下痢止めに、あまり煮詰めずに煎じたものは、便秘にも効くそうです。胃腸の不調時にも使える頼れる存在です。見かけが似ているゼラニウムとは近縁種です。地植えにすると、ナチュラルなグランドカバーとしても活躍します。

華やかなのにいざという時の役に立つ【オニユリ】
庭の主役になるほどの存在感を持つオニユリは、濃いオレンジ色に黒い斑点が入る大輪の花を夏に咲かせる見映えがする花です。華やかな見た目から、純粋に観賞用として庭に植えられ、愛されてきました。

実はこのオニユリのゆり根は、生薬名では「百合(びゃくごう)」といい、薬用として利用されます。
ゆり根に含まれる成分には、滋養強壮や咳止め、精神安定の効能があるといわれています。食用としても美味しく、ゆり根として販売されているものはヤマユリのものか、オニユリまたはコオニユリのものです。庭に植えることで目を楽しませ、根も活用できる一石二鳥の植物です。

[nextpage-title title=可憐さからは想像できないほどの強力な苦味]

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