梅雨の箱根に、一年でいまだけの絶景が帰ってきました。色とりどりのあじさいが線路ぎわを埋め尽くす「あじさい電車」、そして夜の沿線をライトが照らす座席指定列車「夜のあじさい号」が、ただいま運行中です。
車窓から眺めるのはもちろん、沿線に立って電車とあじさいを一枚の画におさめるのもこの時期ならではの楽しみ方。今回はあじさいがいちばん映えるエリアへ出向き、箱根登山電車との競演をたっぷり味わってきました。
電車を堪能したあとは、強羅で人気のあつあつ餃子とあじさい咲く箱根強羅公園へ。世界中から旅行者が集まる強羅で過ごす、この週末のあじさい巡りをご案内します。
沿線に立って狙う登山電車とあじさいの競演スポット
箱根登山鉄道は1919年(大正8年)に開業した、わが国唯一の本格的な山岳鉄道です。箱根湯本駅から強羅駅までの8.9キロ・標高差445メートルを、スイッチバックを繰り返しながら一気に登りきります。その沿線を初夏に染め上げるのが咲き誇るあじさい。だからこそこの時期の箱根登山電車は「あじさい電車」の愛称で親しまれています。
あじさい電車の楽しみ方は、車窓からの鑑賞だけではありません。沿線に立ち、あじさい越しに電車を眺めるのも、いまだけのぜいたく。咲き誇る沿道に電車が現れて走り去っていく一瞬を一枚に切り取ろうと、今回は強羅駅と彫刻の森駅の間へ足を運びました。
狙い目は「ようこそ強羅温泉郷」の看板付近。あじさいがちょうど見頃で、上下線どちらの電車も画になる絶好のポイントでした。最新型の「アレグラ号」もレトロな車両も待ち構えられます。急勾配で知られる箱根登山鉄道ですが、強羅駅と彫刻の森駅の間はほぼ平坦。看板のそばにはゆるやかなカーブもあり、弧を描く線路とあじさいの競演も見どころです。

この沿線のあじさいは、箱根登山鉄道の職員が一年を通して手をかけて育ててきたもの。近年は鹿の食害との戦いも続き、新しい品種も植えられているのだとか。色とりどりのあじさいが鮮やかに染める沿線は、美しいニッポンの四季を映し出す貴重な風景。今年は少し早めに見頃を迎えそうです。
予約なしでも楽しめる夜間ライトアップの見どころ
夜のあじさいを存分に味わうなら、座席指定列車「夜のあじさい号」がおすすめです。運行は6月13日(土)から6月30日(火)まで、事前予約制の特別列車です。座席料金は片道で大人500円・小児250円、別途運賃がかかります。
沿線のライトアップ箇所では車内の照明を落とし、徐行や停車を繰り返しながらゆっくりと進みます。光に浮かび上がるあじさいは、昼間とはまるで別の花のよう。今年は昨年よりライトの数を増やし、見ごたえもいっそう増しています。強羅行きは宮ノ下駅、箱根湯本行きは塔ノ沢駅で、電車を降りて撮影できる時間も設けられています。乗車の記念には、あじさい電車オリジナルのうちわのプレゼントも。
予約が取れなくても、あきらめる必要はありません。ライトアップは6月12日(金)から6月30日(火)の18時30分から22時00分に実施され、この時間帯の定期列車からも幻想的なあじさいを楽しめます。昼とはひと味違う夜の沿線に一度は乗ってみたい特別な電車です。
強羅さんぽの締めは名物餃子とフランス式庭園
あじさいと箱根登山電車を堪能したら、強羅でのお楽しみがもうひとつ。強羅駅と彫刻の森駅のちょうど中間にある「箱根強羅 餃子センター」で、あつあつの餃子をいただきました。もっちりとした皮をほおばると、中から熱い肉汁がじゅわり。電車を眺めて歩いたあとの体に、できたての一皿がじんわりしみます。国産素材を使う老舗は海外からの旅行者にも人気で、昼どきには行列ができるほど。電車鑑賞のあとのランチにちょうどいい立ち寄りスポットです。

おなかが満たされたら強羅駅にほど近い箱根強羅公園へ。1914年(大正3年)に開園した、噴水池を中心に花々が左右対称に広がる日本初のフランス式整型庭園です。園内にはあじさいに囲まれて撮影できるフォトスポットが今年も登場し、期間限定のあじさいスイーツも味わえます。登録有形文化財の茶室「白雲洞茶苑」で抹茶のひと休みもおすすめ。あじさい巡りの締めくくりにぜひ立ち寄ってみてください。
あじさいの箱根は、昼と夜で二度楽しめます。日中は沿線に立って電車との競演を狙い、日が落ちればライトに浮かぶ花を車窓から。同じ場所でも時間でまったく違う表情を見せてくれます。雨に濡れたあじさいがいっそう美しく映えるのも梅雨のいまだけ。この週末は箱根登山電車に揺られて、あじさい巡りに出かけてみてはいかがでしょうか。
【詳しくはこちら】
◆箱根ナビ
https://www.hakonenavi.jp
◆箱根町観光協会公式サイト
https://www.hakone.or.jp

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