週末に燻製を楽しむとき、つい仕上がりの早さや量ばかりを気にしていませんか。もっと早く、もっとたくさん、もっと効率よく燻製をつくれる道具はほかにもあることを認めたうえで、あえて違う楽しみ方を形にした燻製器が登場しました。それが、大阪府和泉市の朋友金属が手がけるブランド・mokumokuの「ちいさなスモーク木ばこ」です。
食材を選び、火をつけ、煙を眺め、できあがりを待って扉を開ける。そのひとつひとつを楽しめることを目指した道具で、本体には国産の檜を使っています。2026年10月1日から11月29日まで、クラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売が行われています。ソトラバ編集部が惹かれたのは、燻していない時間にも眺めていたくなる、その佇まいです。
間伐材をめぐる何気ない会話から始まった木の燻製づくり
mokumokuは、鋳物業界を1世紀にわたり支えてきた大阪金属の関係会社である朋友金属が、薪ストーブを中心とした火のある暮らしを届けるために立ち上げた事業部です。同事業部はこれまでに小さな薪ストーブ型のキャンドルホルダー「ちいさなまきストーブランプ」や、灰を使わない独自構造の「ちいさな火ばち」などを手がけてきました。鋳物の技術を生かした火の道具をつくってきた作り手が、今回選んだ素材は木です。金属を扱ってきた作り手が木の道具を手がけるという意外性も、この燻製器の見どころのひとつといえます。
きっかけは、薪や国産木を扱う「薪文化」の片山氏との会話だといいます。mokumokuは他製品に使う国産木の炉台を薪文化から仕入れるなど、以前から付き合いのある間柄でした。木について話すなかで話題にのぼったのが、森を健全に保つために間引かれた間伐材。薪として活用はできても、それだけでは十分な価値になりにくいという話から「木を薪とは違う形でも活かせないだろうか」という発想が生まれ、「木で燻製器をつくってみよう。」というアイデアにつながったのだそうです。
最初から壮大な構想があったわけではなく、木が好きで、木と向き合う人が好きで、その木を暮らしの中で長く使ってもらえるものにしたいという思いが開発の出発点だというのも、「ちいさなスモーク木ばこ」を魅力的なアイテムに見せる重要なエピソードではないでしょうか。

金属製が一般的な中であえて木を選んだ理由と職人の手仕事
燻製器といえば金属製のものが一般的な中、mokumokuがあえて選んだのは檜でした。木目や手触り、やわらかな佇まいを持ち、使っていないときにも暮らしの中に置いておきたくなる道具にしたいというのが、その理由です。本体には耐熱ガラスを備え、メーカーが「木と煙は、よく似合う」と語るとおり、ガラスの向こうを流れる白い煙と、それを囲む檜の取り合わせまで眺めて楽しめます。
製作を担うのは、和歌山県の緑豊かなダムの畔に工房を構えるアトリエやどりです。職人がひとつひとつ木を切り、組み立て、削って仕上げており、天然木ゆえに木目や節、色味は1台ごとに異なります。つまり同じ製品であっても、手元に届く1台にしかない表情がある。それも手仕事の道具ならではの楽しみでしょう。
効率化や、アウトドアギアらしい武骨さを追う方向とは一線を画すコンセプトとデザインに、ソトラバ編集部は共感しました。燻していない時間も、暮らしの中で檜の佇まいが安らぎと上質さを感じさせてくれる、置いてある時間まで含めて楽しめる燻製器だといえます。

容量や所要時間など選ぶ前に知っておきたい使い方のポイント
使い方はシンプルです。チーズやゆで卵、ナッツなど好みの食材を庫内に入れ、着火したスモークウッドの炎を消して煙が出ていることを確認したら、これも庫内へ。あとは扉を閉め、ガラス越しに煙が満ちていく様子を眺めながら待つだけです。燻製というとキャンプや庭など屋外のイメージが強いものの、mokumokuが届けたいのは暮らしの中で燻す時間。換気扇の直下で換気扇を回せば、屋内でも使用できます。

一方で、選ぶ前に知っておきたい点もあります。容量の目安は6Pチーズ、ゆで卵ともに約2個分で、少量の食材をゆっくり楽しむ使い方を想定したコンパクトなサイズ。6Pチーズの場合、燻製にかかる時間は約40分が目安です。温燻専用で、燻煙材にはスモークウッドを使います。10×5×3cm程度のスモークウッドを使う場合は、カッターナイフなどで6分の1程度に切り分ける下準備が必要です。
屋内では煙や燻製特有の香りが発生するため十分な換気が欠かせず、住宅環境やにおいの感じ方によっては屋外での使用が推奨されています。また、食材の水分などでガラスが曇ることがあり、新品時に塗布されている曇り止めの効果は次第に薄れていくため、市販の曇り止めや、台所用洗剤を少量しみこませたティッシュペーパーで拭くひと手間も覚えておきたいところです。一度にたくさんつくりたい人より、休日の午後や夕食前のひととき、少量の燻製ができあがるまでの時間そのものを味わいたい人に向く1台です。

「今日は何を燻そう。」とmokumokuは呼びかけます。鋳物の技術で火の道具をつくってきた作り手と、薪や国産木を扱う薪文化、そして和歌山で木と向き合うアトリエやどり。三者の縁から生まれた檜の燻製器は、チーズやゆで卵、ナッツといったいつもの食材を、少し特別な一品に変えてくれます。急がなくてもいい休日に、手間ごと楽しむ燻製の時間を暮らしに迎えてみてはいかがでしょうか。
■mokumoku「ちいさなスモーク木ばこ」製品仕様
素材:本体/檜(国産木)、灰受けトレー/ステンレス、ロストル/鉄(耐熱黒塗装)、ガラス/耐熱ガラス、炉/ステンレス
重量:約1378g
サイズ:本体/W175×D124×H190mm、トレー/87×67×10mm、ロストル/95×60×3mm
燻煙材:スモークウッド(セットにはサクラ、ナラ、クルミ、ブナの4種類〔日本製〕が付属)
生産国:日本
一般販売予定価格(Makuake掲載時点):本体のみ2万6180円、本体+スモークウッドセット2万7500円(いずれも税込)
募集期間:2026年10月1日~11月29日(Makuake、All in型)
発送:2026年12月中旬~2027年3月末に順次発送予定
■Makuake「ちいさなスモーク木ばこ」プロジェクトページ
https://www.makuake.com/project/mokumoku02/

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