口にすると命の危険が…… 絶対に食べてはいけない海の猛毒生物 vol.3 何とも不吉な「北枕」の名をもつ愛らしいお魚も!

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  • 食べると最悪死に至ることもがあるキタマクラ
  • 食べたら食中毒を起こすドウウツボ
  • シガトキシンの天然毒が危険なドクウツボ
  • 姿形が愛らしいスベスベマンジュウガニ
  • 姿形が愛らしいスベスベマンジュウガニ
  • 不吉すぎるふぐの仲間のキタマクラ
  • サンシャイン水族館の特別展もうどく展ReMix
  • ピンクの肌に黒い模様のアメリカドクトカゲ

                  

気温が上がり、海辺で過ごすのが気持ちいい季節になってきました。海といえば、魚釣りや貝などの生物採取が趣味だという人も、「ソトラバ」読者には多いかもしれません。

本能に即した行為だからなのか、はたまた狩猟・採集で暮らした太古の記憶によるものなのか……。食べるために生き物を捕まえる行為は、自然に返ったような快さと興奮を味わわせてくれます。海洋生物のバリエーションの豊富さ、その姿形のユニークさも私たちを魅了します。

でも、そうして捕まえた生き物たちのなかには、単に食べられないだけでなく猛毒をもつものもいます。下手すると遊びのつもりが、後悔してもしきれない取り返しのつかないことになる可能性も……。

今回は、捕まえても絶対に食べてはいけない、海の猛毒生物たちをご紹介します。
※各生物がもつ毒は、分析の結果判明している成分のうち特徴的なものを記載しています。

                                  

体内に蓄積した毒が食中毒を引き起こすドクウツボ

鋭い歯を持ち、どう猛な性格から「海のギャング」とも呼ばれるウツボ。そのウツボの仲間で、体内に強力な毒をもつことがあり、当たると嘔吐や下痢、手足のしびれなどの症状を引き起こすのがドクウツボです。

太平洋の温暖な海域の浅瀬に生息するウツボ科最大種のひとつで、なかには体長2.5m、体重30kg前後になるものもいます。ヒョウのような模様と、黒い鰓孔(えらあな)が特徴です。

                   

撮影地:サンシャイン水族館特別展「もうどく展 ReMiX」

                       

ドクウツボの毒は、刺されたり噛みつかれたりして注入されるものではありません。

熱帯・亜熱帯のサンゴ礁周辺に生息する魚を食べて起こる食中毒を総称して「シガテラ」と言いますが、その毒は渦鞭毛藻類(うずべんもうそうるい)と呼ばれる微細藻類が生成するものです。海藻などに付着した微細藻類を魚が食べ、それをより大きな魚が食べるという食物連鎖のなかで、大型の魚類の筋肉や内臓にシガトキシンという毒が大量に蓄積されるのです。

シガトキシンは熱で分解されないので、調理しても取り除くことができません。外見から毒の有無を見分けるのは難しいので、決して食べないようにしましょう。

もちろん、ウツボの仲間なので歯は鋭くあごは強力です。釣れた場合は細心の注意を払い、ダイビングで遭遇した場合も驚かせたりしないようにしましょう。

                   

撮影地:サンシャイン水族館特別展「もうどく展 ReMiX」

                        

実は猛毒生物! 丸くてかわいいスベスベマンジュウガニ

全身にテトロドトキシンなどの毒をもち、食べると30分ほどで口や舌のしびれ、嘔吐、麻痺、呼吸困難の症状がみられ、最悪の場合死に至るという恐ろしいカニです。

体長は5cm前後と小さく、日本では千葉県より南の太平洋の岩礁地域と、サンゴ礁の潮間帯に生息しています。おいしそうな名前は、その丸っこくすべすべとした見た目からついたもの。ハサミの先端が黒いのも特徴です。

                      

撮影地:サンシャイン水族館特別展「もうどく展 ReMiX

                                   

海辺の潮だまりにもいて、動きが速くないので比較的つかまえやすいカニですが、その毒は加熱しても分解されません。種類がはっきりしないカニをつかまえたときは、決して口にしないようにしましょう。

もし食べてしまったら、短時間で症状が出はじめます。すぐに病院に行き、胃洗浄などの対処が必要です。

                    

撮影地:サンシャイン水族館特別展「もうどく展 ReMiX」

                     

不吉すぎる名前のキタマクラはフグの仲間

皮に強毒、身や肝臓、腸に弱毒をもつ、毒だらけの魚がキタマクラです。食べると口や舌のしびれや歩行障害といった症状が出て、最悪の場合は死に至ることから、死者を寝かせる際の「北枕」にちなんでその名前がつきました。

日本近海では福島県以南の太平洋岸や、九州西岸、伊豆諸島、沖縄などに生息。サンゴ礁や岩礁地帯の水深30m未満の浅場で見られることが多く、成長すると15cm前後になります。

                     


撮影地:サンシャイン水族館特別展「もうどく展 ReMiX」

                       

磯釣りや船釣りでは外道として釣れる魚で、海釣りをする人であれば遭遇する可能性は大いにあります。極力触れないようにして、もしうっかり触れてしまった場合も、その手で食べ物を直接つかむのは避けましょう。また、ほかの魚といっしょにクーラーボックスに入れるのも危険です。

その毒はフグと同じテトロドトキシンで、火を通しても分解されません。もしキタマクラの疑いのある魚を食べてしびれを感じたら、すぐに119番に通報しましょう。特効薬はないので、胃洗浄などにより体外に出すことになります。

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