ベテランは道具ではなく自然との共存に価値を見出す
上級者の多くは道具優先の時期を経て、シンプルなスタイルに原点回帰する人も多いようです。快適さをキャンプ道具に頼るのではなく、厳選したシンプルな道具だけを持ち、あとは自分のスキルで快適さを手に入れることによって、より自然と共存することに喜びを見出し、自分の精神を開放させます。
こうなると哲学の世界になってしまいますが、自然と人との関係にしっかりと向き合うことがベテランキャンパーならではの世界観になってくるのです。
高価なキャンプ道具を揃え、数多くのキャンプをしてきた人がベテランキャンパーとは限りません。キャンプした回数ではなく、そこで得た経験をしっかりと活かせる人こそが真の達人なのです。もちろん、焚き火を楽しみながら深酒するのも楽しみであり、キャンプ料理で失敗をするのもご愛嬌。自然を愛し、慈しみ、自分自身がどれだけ楽しめるのかが大切なのです。
自然の素晴らしさと怖さを理解していることが大切
ここで記した「ベテラン」とは、筆者がこれまでの取材やプライベートで出逢った人たちの姿ですが、もちろんポータブル電源を使った近代キャンパーや、贅を追求したグランピングの世界でも尊敬すべき達人クラスのキャンパーがたくさん存在します。
しかし、すべてのベテランキャンパーたちに共通することは自然を愛し、自然を大切にするという強い思い。また、自然に対して「恐怖心」を持ち、天候が荒れたときには潔く撤退する勇気を備えており、これまで数多くのキャンパーたちを取材するなかで、上級者たちが必ず口にするのが「自然は怖い」「自然に逆らっても絶対に勝てない」「ヤバイと思ったら逃げろ」というものでした。
自然を熟知し、決して逆らうことなくキャンプを楽しめる人こそが、真のベテランキャンパーであることは間違いなさそうです。
