夏の日差しが強い時期、街中では多くの女性が日傘をさして歩いていますが、近年は男性の日傘姿もよく見かけるようになってきましたね。直射日光を浴びると、さらに暑く感じて、熱中症リスクが高まるので、野外に長くいるのなら、日除けはとても重要な要素です。
日傘による遮熱効果は高く、傘の表面で太陽光を反射して、熱源となる赤外線を遮ってくれるので、さしているのといないのとでは体感が全く違います。

山では、日除け対策としてつば付きの帽子(ハット)をかぶるのが一般的ですが、汗をたくさんかくような運動をしているとき、頭部はかなり発汗の多い部位なので、帽子をかぶっているととても暑いのです。
筆者は、街中ではもとより、登山活動中にも日傘をさしていることが多いです。ほとんどトレードマークのように認識されていて、遠くから目撃した人から「あのシルバーの日傘でわかったよ!」と言われることも多々。
以前、九州のくじゅう連山に行ったときのこと。久住山の周辺は樹林帯がなくて、日差しがきつく感じられたので、いつも通り日傘をさして歩いていたのですが、地元の方はそんなハイカーを見たことがなかったのか、おねえさま方たちが「山で日傘ね! よかね!」「よか、よか!」と、とても面白がってくれました。
ただし、雨傘も同じことなのですが、山では傘が使えるシチュエーションとそうでない場合があります。

傘が使える場合とNGな場合とは?
まず、風が強いときは、傘をさして歩くのは困難で、かつ危険です。そこがもし稜線上だったりしたら、風にあおられてバランスを崩したり、滑落の危険さえあります。また、あおられた傘がほかの登山者に当たって、ケガをさせてしまう可能性もあります。
そういった危険のない場所で、傘をさしたスタイルで歩行に支障がない気象条件であれば、かなり暑さ対策として役立つと思います。

ただし、ほかの登山者とすれ違う場合は、手前から傘をとじて、すれ違いのじゃまにならないように配慮が必要です。