植物の生命力を学ぶ! 「春待ち」の眠れる森に広がる春の訪れを探しに行く【近畿エリア】

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冬枯れの森の意外な楽しみ方

 

秋に葉を落とす落葉樹は、幹と枝だけになっているので、葉が茂っているときにはわかりにくい「樹形」がよくわかります。そして、木の枝に飛んでくる野鳥を見つけやすいのも冬枯れの森の特徴です。園内は豊かな自然林なので、さまざまな野鳥がやってくる場所としても知られているのです。

園路はよく整備されているので、山の中ではありますが、特別な登山装備がなくても、気軽に散策できます。登山靴でなくても大丈夫ですが、舗装されていない道もあるので、スニーカーのような歩きやすい靴がおすすめです。

 

 

この時期ならではの観察メニューで面白いのが「冬芽」と「葉痕」。落葉樹は、秋までに翌年春に芽吹く新芽の準備を整えています。そして、越冬する「冬芽」を、冬の寒さから守るために、いろいろな工夫をこらしているのです。小さなウロコ状の防寒着(芽鱗)で包まれているもの、モフモフの毛皮をまとっているもの、ネバネバした物質で覆っているもの……。樹木の種類によって、いろいろな戦略を持っています。

冬芽のすぐ下などにある、落葉した葉が付いていた部分、「葉痕」も面白いものです。

 

 

ルーペなどを使ってじっと見てみると、何やら怪しい顔に見えてきたりします。おさるさん? ひつじ? 妖精?

 

 

氷点下の冷え込みのときだけ見られる氷の花もあります。「シモバシラ」という植物の根っこが吸い上げた土中の水分が、枯れた茎から押し出されて凍結し、不思議な氷のアートが作られます。

 

 

園内の「森林展示館」では、2023年3月19日まで「シモバシラ展」が行われており、いろいろなシモバシラの姿を豊富な写真で紹介しています。

また、寒いなかでも、ひと足先に春の目覚めを迎えているものもあります。馥郁たる香りを漂わせるロウバイ。春に先駆け「まんず咲く」マンサク、梅も早春を彩り、春の訪れを告げる花です。

 

  

園内には植物だけではなく、今年の干支のウサギとカモシカが飼われていて、愛らしい姿を見ることができます。春の訪れを楽しみに待つ季節。静かな森で、小さな春の息吹を探してみませんか。面白い発見がたくさんありますよ。

 

 

 

【データ】
■住所:兵庫県神戸市北区山田町上谷上長尾1-2
■営業期間:通年営業(水曜休)
■URL:https://www.kobe-park.or.jp/shinrin/
※2023年2月現在の情報です。最新の情報につきましては各施設にお問い合わせください

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