たどり着けるかは運次第!? 究極の秘湯・野湯探検記 【vol.03】 奥奥八九郎温泉/秋田県

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  • 秋田の奥奥八九郎温泉
  • 奥奥八九郎温泉の注意喚起看板
  • 奥奥八九郎温泉のヒドロ炭酸泉
  • 奥奥八九郎温泉の野湯
  • 奥奥八九郎温泉の野湯
  • 奥奥八九郎温泉の野湯
  • 奥奥八九郎温泉の野湯
  • 奥奥八九郎温泉の野湯

「野湯(のゆ)」とは、自然のなかで自噴していて、人の手が加わった商業施設が存在しないような温泉のこと。「日本国内にそんな所が存在するのか?」と思う人もいるかと思うが、実は人知れず湧出している野湯は全国各地にある。

その形態は様々で、ヤブやガレ場、川の中など、道なき道のはてにある難関もあれば、遊歩道沿いやクルマが通行できる林道沿いにあり、誰でも行きやすい野湯もある。

この連載では、著者が体験した、手つかずの大自然のなかで格別の満足感を味わえる野湯を紹介してゆきたい。        

クルマで横づけ可能な誰でも簡単に行ける野湯 

奥奥八九郎温泉は、クルマで湯船のすぐそばまで行けて、温泉の有毒ガスや困難なアクセスのリスクのない、誰でも簡単に入れる野湯である。もちろん野湯なので脱衣場などはないが、クルマのなかで着替えておけばすぐに入湯できる。       

舗装路を外れ、木立に囲まれた砂利道の林道を4kmほど進むと、右側にオレンジ色の台地がむき出しになった場所が突然現れ、その異様な光景に驚く。横には2~3台駐車できるスペースがある。

約1mほどの高さの台地は広場のようになっており、広場一帯が析出物で覆われている。一部は鱗のような状態で、小さな千枚田のようだ。この場所は国有林で、1974年に黒鉱調査のためにボーリングを行った際、地下320~350m付近から温泉水の湧出があり、そのままにされているそうだ。入浴禁止ではないようだが、もちろん正式な温泉施設ではなく野湯だ。         

湯底から炭酸が噴き出す〝天然のジャクジー〟! 

広い台地の上には数カ所の湯船が作られており、一番上の湯船の底からは二酸化炭素がボコボコと噴出して、まさに「天然のジャクジー」。湯船に入ると地の底からすごい勢いで炭酸と共にお湯が噴き出していて、体が浮き上がるほどの勢いだ。こんなジャクジーが野湯に存在しているなんて驚きである。 

湯温はかなり熱めで、浸かると肌が少しピリピリした。口に含むとほのかに鉄臭がする炭酸泉特有の味で、炭酸ソーダそのままである。

天然ジャクジーの元湯の湯船からは、数個の湯船にお湯が湯道を通じて順々に掛け流されており、それぞれの湯船にためられている。その間に空気に触れて酸化し、色も徐々に茶色へと変色していく。湯道を枝分かれさせた複数の浴槽は、個人の好みに合わせて温度を選択可能だ。離れた湯船ほど、ぬるめのお湯でゆっくりできる。      

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