アウトドアで出会うかも? 世にも不思議な「水辺のへんないきもの」vol.03【水生昆虫編】

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  • 水田や用水路に生息するタガメ
  • 水田や用水路に生息するタガメ
  • カマキリのようなカメムシの仲間のミズカマキリ
  • 水田に生息するゲンゴロウ
  • 死んだふりをするタイコウチ
  • トンボの幼虫のヤゴ
  • 噛まれると痛いヘビトンボ
  • オスの背中に卵を産み付けるコオイムシ

キャンプや登山などのフィールドでは、住宅街などではなかなか出会うことができない生き物に遭遇することがあります。人間から見るとちょっと不思議な生態を持つ生き物から、今回は水生昆虫についてサンシャイン水族館の丸山克志館長にうかがいました。

 

生き物の「へん」に秘められた偉大な力

変な生き物の「へん」とは生き物たちの生にかかわる、偉大な力の事です。人間の視点から見たら、見た目がへん! 生き方がへん! 怖い、ユーモラス、かわいい、なんでこうなったのだろう? と首をかしげたくなるものがいろいろいて、これまで水族館でも特別展で紹介したことがあります。

そこには、「個が生きるため」「種として命をつなぐため」の人間にはない不思議な魅力がいっぱいあります。

人間と違うという視点で見たときには、「へん」という言葉が浮かびますが、その生につながる「へん」には、愛しささえ覚えるものがあります。

水生昆虫とは水中や水面で生活する昆虫のことです。多くの昆虫は陸で生活していますが、じつは水中や水面で生活する昆虫は結構います。そして、水生昆虫も空気を吸って生活しています。

昔は近くの水田や溜め池に多数生息していた水生昆虫ですが、都市開発により、東京では水生昆虫の姿をほとんど見ることが出来なくなってしまいました。普段見ることのできない水生昆虫にアウトドアでは出会えるかもしれません。

 

数が激減している貴重な生き物【タガメ】

北海道を除く日本全域、台湾、朝鮮半島、中国の水の綺麗な小川や用水路、水田などに生息しています。エサは水生昆虫や魚類で、ときには自分よりも大きなカエルやヘビを捕らえて食べることがあります。日本最大の水生昆虫でメスでは体長6.5cmほどになります。

 

 

産卵期になるとオスは、メスが産んだ卵に水をかけ卵が乾燥しないように守るイクメンになります。一方メスは、他のメスが産んだ卵塊を破壊することがあります。現在では絶滅が心配されるほど激減している、貴重な生き物です。

                     

【データ】

■分類:カメムシ目コオイムシ科 タガメ属

■生息地 北海道を除く日本全域

                      

カマキリだけどカマキリじゃない【ミズカマキリ】

日ごろは水田や池、沼に生息し、小魚、水生昆虫、オタマジャクシなどを食べます。カマキリという名前が付いていますが、カマキリの仲間ではなくタガメと同じカメムシの仲間です。尾部から伸びている2本の管は呼吸管で、水面に出して呼吸します。

 

 

環境適応能力は高いといわれていますが、他の水生昆虫同様、生息数が減ってきています。水生昆虫ですが飛んで移動できます。

                                          

【データ】

■カメムシ目 タイコウチ科 ミズカマキリ属

■生息地 日本全域

                      

昔は佃煮で好まれた昆虫食を代表する【ゲンゴロウ】

流れの少ない水草が繁った池や沼、水田などに生息しています。死んだ魚や弱った魚などを食べます。成長すると3.5cm~4cmほどになりゲンゴロウの仲間では最大種。羽根とお腹の間に空気をためて呼吸します。以前は佃煮にして食されるほど数多く生息していましたが、現在では激減しています。

 

                

【データ】

■コウチュウ目ゲンゴロウ科ゲンゴロウ属

■生息地 北海道、本州、四国、九州

                      

危険があると死んだふりが得意【タイコウチ】

北海道を除く日本各地の水田などの浅い水域に生息しています。成虫の体長は3.5cmほどになります。肉食性で、鋭い前肢を使い魚類や他の水生昆虫などを待ち伏せして捕らえて食べます。11月頃に陸上及び水中で越冬。寿命は2~3年ほどで、 手でつかむと、脚を縮めて擬死をするという特徴があります。

 

                      

【データ】

■カメムシ目 タイコウチ科 タイコウチ属

■生息地 北海道を除く日本全国

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