大人も子どもも楽しめるアウトドアは、ファミリーレジャーとして人気を呼んでいます。実は、アウトドアが子どもの脳の成長にとてもいい影響を与えることをご存じでしょうか?
話題の書『アウトドア育脳』の著者で、これまで老若男女約16万人の脳画像を読影、解析してきた脳科学者・瀧靖之先生に、その効能と生かし方を教えてもらいました。
自然は子どもの知的好奇心を刺激する
休暇中や週末に、家族一緒に自然の中で過ごすアウトドアレジャーが人気を呼んでいます。脳科学者・瀧靖之先生によると、野外での活動には子どもの脳の発達に役立つたくさんの要素があるそうです。
「もともと人間は自然の中に身を置くと、日頃の緊張やストレスから解放され、リラックスして心が落ち着く傾向があります。澄んだ空気の中で自然に触れ、家族一緒に『非日常』の時間を過ごすことは、貴重な経験になります。
私は北海道で育ったのですが、父がアウトドア好きだったため、小さい頃からよくあちこちに連れていってもらいました。夢中になって昆虫採集をしたり、植物や星空を観察したりして、自然の中で過ごすのが大好きでした。
自然というのは、人工的に造られたものと違って組み合わせが無限で、『不思議だな』『なぜだろう?』『もっと見たい』『もっと知りたい』という気持ちが次々と湧き起こるんです。いわゆる『知的好奇心』が刺激されるんですね。これは脳にとって非常にいいことなんです」
知的好奇心が強いと学習したことが身につきやすく、学業成績が伸びる要因になるともいわれています。
「また、他者との『コミュニケーション能力』や『自己肯定感』も高まるので、アウトドアはまさに『育脳』にうってつけといえるでしょう」