牧野富太郎も通った薬草と花の名山。高山植物を愛でながら伊吹山ハイキング【前編】

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  • イブキジャコウソウ
  • 弥勒堂
  • 山頂碑
  • イブキトラノオ
  • クガイソウ
  • ルリトラノオ
  • カワラナデシコ
  • シモツケ
  • 写真を撮るハイカーたち
  • 西登山道入り口
  • 遠景
  • 伊吹山
  • 伊吹山
  • 伊吹山
  • 伊吹山
  • 伊吹山

標高1377m、滋賀県の最高峰である伊吹山は、深田久弥の日本百名山、田中澄江の新・花の百名山にも選定されている人気の高い山。琵琶湖の北西に位置し、対岸には比良山地から比叡山にかけての峰々、南には鈴鹿山脈、条件が良ければ加賀白山や伊勢湾までも見渡せる絶景の山です。

関ヶ原の北側にどっしりとした山容でたたずむ伊吹山。西側の斜面に不自然な形状の部分がありますが、石灰岩の採掘のために削られたものです。現在は緑化事業が進められていて、徐々に斜面に緑が甦ってきています。

山麓の登山口から登ると4時間近くかかるのですが、9合目まで伊吹山ドライブウェイが通じているため、初心者や体力に自信がない人でも気軽に登れる1000m級の名山なのです。

登山バスを利用してラクラクアプローチ

伊吹山はとても好きな山で、過去に10回くらいは登ってると思うのですが、これまで登山バスを利用したことはありませんでした。

しかし今年は、7月の豪雨で山麓からのメイン登山道が大規模に崩落し、通行止めになってしまいました。ドライブウェイは無事だったので、登山バスは運行されていて、山上エリアのハイキングのみなら楽しめるという状況です。今年はとびきり暑いし、これ幸いと(?)ラクラク〝ゆるハイク〟を楽しむことに。

筆者が利用した登山バスは、JR東海道本線・東海道新幹線の米原駅と、山頂北側9合目の駐車場を結ぶ「湖国バス」。ほかにも、「名阪近鉄バス」が運行する名古屋駅・大垣駅・関ケ原駅からの便もあります。いずれも、登山適期のみの季節運行です。

なだらかな山上エリアのお花畑を目指して

標高1250m。山頂の北側、9合目にある駐車場からは、距離約1kmの西登山道、約1.5kmの東登山道(下り専用)、その間に約500mの中央登山道と、3つのルートがあります。

西登山道なら約30分、直登ルートなら15分。お花や景色が楽しめる西登山道を登って、山上でゆったり過ごしたあとは、東登山道を下ることにします。

西登山道は、南西に向かって緩やかに登るトレイルです。この日は、晴れたり曇ったり、突然霧に覆われたりと、めまぐるしい天候。急に雨が降り出して、何も見えなくなったかと思えば、霧がさっと晴れて、すき間から琵琶湖が見えたり。湖面が見えると、誰からともなく歓声が上がって、ハイカーたちはみんな立ち止まって写真を撮っていました。

ハイキングコースとしてはとても短いのですが、可憐な花がいろいろ見られるので、なかなか歩みが進みません。コースタイムの3倍くらいかかったかも……。

それでは、伊吹山で出会える可憐な夏の花たちを紹介しましょう。

まるで小さな花火のような、可憐なピンクの花を咲かせるのは「シモツケソウ」。

同じようなピンク色でも、繊細な切れ込みのある花びらが優美な「カワラナデシコ」。

上品な紫色の花序を伸ばしているのは「ルリトラノオ」。「コオニユリ」のオレンジとよく映えて、お花畑を華やかに彩っています。

「クガイソウ」も気品ある色が魅力的な花。ルリトラノオとよく似ています。

伊吹山の名前がついた花もいろいろあります。「イブキトラノオ」もそのひとつで、トラの尻尾に似ているようには見えないのですが、愛らしい花です。

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