着ているものが身を守ってくれる! 「本当にあった」に学ぶ、登山のリスクヘッジ【vol.02 ウェア編】

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自分の汗を敵に回さない「汗処理」機能とは?

汗をかいても、すぐに着替えられる状況ならいいのですが、登山活動中はそうもいきません。そこで、筆者は「汗処理」機能にすぐれたファイントラックの「ドライレイヤー」を愛用しています。

一番内側に、撥水処理を施した薄いメッシュ素材のインナー「ドライレイヤー」を着用。かいた汗は瞬時にその上に着ているベースレイヤーへ移行・拡散することで、肌面を常にドライな状態にキープしてくれるというものです。

ドライレイヤーの機能を最大限発揮させるためには、ベースレイヤー(いわゆる肌着)とミドルレイヤー(中間着)の選び方も重要です。

ベースレイヤーは、濡れ感がなく、吸汗拡散性のあるもの。その上に重ねるミドルレイヤーにも吸汗性が高いものを選ぶことで、汗は徐々に外へと移行し、衣服の外側へと排出されていきます。

一番外側に着るアウターは、風雨を通さないハードシェルが基本。汗などの水蒸気は外へ出し、雨滴は通さない「透湿防水素材」のものです。

つまり、山に適したウェアリングとは、異なる機能を持ったウェアを重ね着することで、風雨や低温、自分の汗も含めた濡れから身体を守り、快適さをキープする「システム」です。

そして、ウェア以外の小物類も意外と重要。冷えやすい身体の末端部を守る手袋や靴下、すきま風を防ぎつつアウターの保温力をアップさせるネックゲイターや、帽子も役立つアイテムです。

冬はとくに、細い指先などは低温障害を受けやすく、凍傷になるリスクがあるので、手袋や靴下には、保温力が高いメリノウールのものを使うことが多いです。これらにも「ドライレイヤー」のアイテムがあります。

筆者の場合、冬季にある程度標高がある山に行くなら、アルパイン仕様のしっかりしたグローブを使用しますが、さほど寒くない低山なら、ワークマンのメリノウール手袋を使っていたりもします。また、30年以上前から愛用している未脱脂ウールの超クラシックモデル「ハンガロン手袋」は、非常に暖かく、雪遊びのときなどには、いまだに愛用しています。

季節やフィールドに合わせた適正なウェアリングが、快適で安全に登山を楽しむための大事な要素。必要な機能を持った素材を適材適所で使い分けて、四季の山を安全に楽しみましょう。

                           

【取材協力】

■ファイントラック

https://www.finetrack.com/drylayer/


【プロフィール】

根岸真理

1961年、神戸市須磨区生まれ。1歳前に親に連れられて六甲登山デビュー。アルパイン歴30年の自称アウトドアライター。『六甲山を歩こう!』(神戸新聞総合出版)ほか六甲山関連本を4冊上梓。『神戸新聞』のおでかけ情報欄「青空主義」欄、第三月曜日枠で六甲山情報を執筆中。 http://653daigaku.com/information/14176/

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