リスク回避の第一歩は〝無理のない計画〟が必須! 「本当にあった」に学ぶ、登山のリスクヘッジ【vol.01 登山計画編】

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  • 須磨アルプス
  • 地図とガイドブック
  • 登山計画書のサンプル
  • 登山のコンパス
  • 登山地図と周辺図
  • アプリ画面
  • 岩場

管理された公園や施設で行うスポーツとは異なり、自然の中で活動する登山などのアクティビティには、リスクがつきものです。想定外の天候急変や沢の増水、転倒や滑落、落石、道迷いもあるかも?

フィールドでのリスクを避けるにはどうすべきか。このシリーズでは、筆者が実際に体験した実例も踏まえて、やるべきこととできることを解説します。

「登山アプリで情報ゲット」は安全?

知人から聞いた話ですが、登山アプリのサイトでいろんな人の記録を見ていて、「サクっと」行ってきたという、面白そうなコースを見つけたそうです。

自分の家から行きやすいエリアで、周辺の土地勘もあるし、そのコースで登ってみることにしたとか。ところが、実際には「サクっ」とはいかず、時間もかかってバテバテになってしまったのだとか。

他人の「記録」は、あくまで書いた人の主観に基づくものであり、そのまま自分にあてはめられるものではないんですね。

アプリによっては、その記録が平均的な歩行速度と比べて早いのか遅いのかを表示する機能もありますが、たぶん上記のエピソードのようなことが多発したために記載するようになったのではないかと思います。

登る山の選び方と具体的な計画の立て方

初心者のうちは、「誰か知らないヒト」がアップした記録を参考に計画を立てるのはお勧めできません。登山地図や登山雑誌、ガイドブックなど、ある程度信頼性のある情報を元に、行き先を考えてみるのがよいと思います。コースタイムや難易度などもチェックして、自分にとって無理のないプランを立ててみましょう。

その上で、同じようなコースを誰か直近に歩いていないかを記録サイトで調べてみると、登山道の状況など、最新情報が得られて役立つかもしれません。

筆者が最近行った山の計画の立て方について解説してみます。

これまで、東北の山にはほとんど行ったことがなかったのですが、最近関西からのアクセスが意外と良いことに気づきました。けれど、土地勘がないし、どこにどんな山があるのかもあまり把握できていないので、まずは登山地図を購入し、裏面にある「周辺図」をチェックしました。

周辺図は、掲載されている山とその周辺の位置関係がよくわかるので、土地勘がない人にはとても便利です。

遠方の場合は、とくにアクセスが重要なので、広域図を見ながらウェブサイトで交通手段を確認。その上で、行ける範囲を絞り込みます。

蔵王連峰天空トレッキング【前編】」「同【後編】」のときは、朝一番の飛行機で仙台へ飛ぶと、登山バスが発着する山形駅に昼前に着くことがわかりました。初日は移動だけにして、のんびりランチも楽しんで、現地では翌日利用するゴンドラ駅の下見と、外湯巡りで温泉三昧というプランに。

二日目は、ゴンドラの始発に合わせて行動開始。本当は遠刈田温泉までの縦走プランにしたかったのですが、もしも下山が遅れると最終バスに乗れない可能性が。時間管理が容易な周回ルートで計画しました。

「登山計画書」の作成も忘れずに

登山計画書は、かつては、紙で作成して、現地警察などに郵送するか、登山口の窓口で提出するのが一般的でしたが、近年は「登山のコンパス」というサイト上で作成することが多くなりました。自治体や警察と連携していて、登山届の提出がwebでできるのです。

下山が予定時刻より一定時間遅れると、救助要請をするかどうかを家族など、登録した連絡先に問い合わせる機能があって、万一のときに安心です。

「登山のコンパス」での計画書作成はとても簡単。web上のマップで、入山ポイントから通過地点を順にクリックしていくと、自動的にコースタイムの計算も行われます。

現地では、必ずしもポイントごとに休憩をするわけではありませんが、時間的余裕をもった計画にするために、ポイントごとに10分程度の休憩時間を設定するようにしています。トイレや山小屋があるポイントでは20~30分取ることもあります。

登山地図やアプリも同じですが、示されているコースタイムで自分が歩けるのかどうかは、何度か使ってみて確認しておく必要があります。平均的な所要時間が設定されているとはいえ、歩く速度は個人差が大きく、大幅に補正しないといけない人もいるからです。

登山アプリの「ヤマップ」や「ヤマレコ」にも、計画書作成機能があります。これらのデータは、スマートフォンなどでメンバーと共有できるのですが、留守宅にはプリントアウトしたものを置いておく方が、家族が確認しやすいので、筆者は紙の計画書と併用しています。

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