登山の際のウエア選びは、機能性や安全性など普段着とは違った視点で選ぶことも必要です。登山着の選び方としては、肌に触れるシャツの素材に「コットン・綿素材のシャツはNG」という定説もあります。なぜコットン素材は登山に適さないのでしょうか。おすすめの素材も合わせて見てみましょう。
愛用のコットンTシャツが登山着に適さない理由とは
コットンといえば、衣類に一般的によく使われている天然素材。肌に優しいと言われることも多く、とくにTシャツは定番アイテムとして愛用している人も少なくないでしょう。そのため登山の際にも「いつものTシャツで」と何気なくチョイスしてしまいがちですが、これは避けるべきです。

その理由として挙げられるのが「コットンの吸水性の高さ」。コットンは吸水性が高く、汗を良く吸ってくれるという利点があります。一方で、速乾性がなく、一度吸った水分は保持し続ける性質も。そのためコットンのTシャツは、汗をかいたり雨に濡れたりした際に、湿った状態が長時間続くことになります。
コットンTシャツは“低体温症のリスク”を上げる!?
湿った服を着続けるのが“不快”ということは間違いないでしょう。しかし、この状態が続くとさらに大きな問題が。水は空気の20倍以上の熱伝導率を持つため、濡れた服の水分は体温を一気に奪ってしまいます。結果的に低体温症のリスクを高めることになるのです。

また山では風が吹いていることも多いので、濡れた体に風が吹きつければ、体はどんどん冷えてしまいます。登山において、体を冷やさないことは安全確保のためにも大切なこと。登山中は自然と汗をかいて衣類が湿りやすいため、速乾性の高い素材を着るのは非常に重要と言えるでしょう。