たどり着けるかは運次第!? 究極の秘湯・野湯探検記【vol.01】目の湯・川の湯/鹿児島県

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〝地獄〟地帯に待っている森林浴&泥パックの〝極楽〟

さて、川の湯をさらに遡って行くと、頭の上に車道があってそのコンクリートの橋をくぐると、川は二手に分かれている。

北西の方から流れてくる川は透明の綺麗な湯で、季節にかかわらず適温であることが多い。北東の流れは白濁した硫黄泉の本流で、その付近では真冬以外は熱すぎて入湯は難しいだろう。 

その数十m上流は、硫黄谷と呼ばれる〝地獄〟地帯。熱湯が勢いよく湯煙を上げながら大量に噴出している。これが川の湯の源泉だ。 

この谷は川幅が狭く、周りはいかにも南国らしい植生の、高くそびえる常緑広葉樹の木々が覆いかぶさっており、大自然を感じながらの森林浴を兼ねた入浴ができる。

硫黄谷で勢いよく噴き出した白く濁った流れの川底には、良質のきめ細かい泥がたっぷり堆積していて、歩くと湯が泥と混ざってグレーの泥湯となり、泥パック効果で肌もツルツルに。湯量が豊富なため、数分で泥の淀みはなくなり、泥をすぐ洗い流せるのもありがたい。

野湯では、身体を洗うことは目的ではない。泥や砂で汚れてしまうことすらある。この川の湯でも泥パックを楽しんだのであるが、最後の仕上げは、もう一度、先ほど入湯した一人サイズの目の湯に入り、透明なお湯で身体を清めた?のであった。

天然の岩風呂、必ず適温が見つかる川の湯、そして森林浴に泥パック。川を遡れば次々に、タイプの異なる秘湯に出会える霧島は、まさに野湯パラダイスだ。

     
【目の湯・川の湯】
■住所:鹿児島県霧島市牧園町
■アクセス:霧島温泉街から徒歩約15分(目の湯)、同15~20分(川の湯)

※一部に私有地を含む場合がありますので、野湯を訪れる際は事前に許可を取ることを推奨します     

近隣オススメキャンプ場

【えびの高原キャンプ村】  

えびの高原キャンプ村は、霧島錦江湾国立公園内のえびの高原にある、標高1200mのキャンプ場。世界中でえびの高原だけに自生する天然記念物のノカイドウをはじめ、ミヤマキリシマやアカマツなど多様な植物が自生しています。

  

【データ】

■住所:宮崎県えびの市末永1470

■営業期間:通年営業

■URL:https://ebino-village.com/

     

【プロフィール】
■著者:瀬戸圭祐(せと・けいすけ)

■プロフィール:アウトドアアドバイザー、野湯マニア。NPO法人・自転車活用推進研究会理事。自動車メーカー勤務の傍ら、自転車・アウトドア関連の連載、講座などを数多く行っている。著書に『命知らずの湯』(三才ブックス)、『ジテッウ完全マニュアル』(ベースボールマガジン社)、『爽快自転車バイブル』(毎日新聞社)、『自転車ツーリングビギナーズ』(八重洲出版)、『雪上ハイキングスノーシューの楽しみ方』(JTBパブリッシング)、『家族で楽しむ!アウトドア大研究』(水曜社)など。2023年3月現在、足を運んだ野湯はトータルで約100湯。

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