アウトドア医療のプロに聞く! キャンプなどの外遊びで受傷することもある「もしものときに役立つ!! 知っておきたい植物のかぶれ vol.1」

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  • 銀杏の葉と銀杏

         

キャンプ場や山に入って木々や植物と触れ合っていると……。皮膚がかゆい、腫れてきたなどのトラブルが起きることがあります。自然のなかに入るときは、植物かぶれに関する知識があると、もしものときに役立ちます。今回は植物かぶれについて、アウトドア医療のプロで救急医の稲垣先生に聞いてみました。

         

「植物かぶれ」は刺激性とアレルギー性がある

植物かぶれとは、接触皮膚炎といわれるものです。かぶれる植物は比較的身近にあり、一時的にかゆみが出るだけのものから、湿疹が何週間も続くものまでその種類はさまざま。

接触皮膚炎には刺激性とアレルギー性があります。刺激性は、接触したものから直接刺激、受傷してすぐに発症します。アレルギー性は受傷後1~2日以上経ってから、遅れて発症します。

        

            

接触後すぐに症状があらわれる刺激性の接触皮膚炎

刺激性の接触皮膚炎を引き起こす主な植物は、下記をご覧ください。       

●ノイバラ(野バラ)

●タラノキ(タラの芽の木)

トゲなどが刺さる機械的刺激により痛みや腫れが起こるが、通常はすぐによくなる。

●キダチアロエ

●ヤマノイモ

●サトイモ

皮に含まれる目に見えない微細なトゲ(シュウ酸カルシウム針状結晶)がかゆみ、痛み、発赤、腫れを引き起こす。キャンプでの調理などで受傷する。

●イラクサ

トゲの根元にある袋から、かゆみや炎症を引き起こす化学物質が注入され、かゆみ、発赤、蕁麻疹(じんましん)を引き起こす。イラクサは蕁麻と呼ばれ、蕁麻疹はこの植物が語源。

        

           

アレルギー性接触皮膚炎といえばウルシ科

次に、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす主な植物といえば、断トツでウルシ科の植物です。日本接触皮膚炎研究版 JSA調査データ(アレルゲン別陽性率)によると、日本人の接触皮膚炎の原因第3位(2016年)はウルシオール(ウルシ成分)です。

主なウルシ科の植物は、下記をご覧ください。      

●ツタウルシ

身のまわりに広く生えていて、ウルシ科のなかでもかぶれやすく症状が強い。落葉樹林で木に巻き付いている、つる植物。赤く腫れた湿疹、強いかゆみ、水疱(水ぶくれ)が数週間続く。

        

●ヤマウルシ

3~8m程度の比較的低い落葉樹。登山道脇など山野で普通に見られる。樹液に触れると強くかぶれる。

●ヌルデ

「翼」という葉の軸の膨らみ、葉の「虫こぶ」が特徴。平地から山野でよく見られる。かぶれの酷さはツタウルシ、ヤマウルシほどではない。

●ハゼノキ

和蝋燭作りに使われた植物。明るく暖かい場所に生える7~10mほどの高い木。症状は ツタウルシ、ヤマウルシほどではない。

           

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