居住性は文句なしなのに…… キャンピングカーブーム渦で「エアストリーム」が主流派になれない理由とは?

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牽引免許の取得制度が足枷に

映画やCMで馴染のあるエアストリームですが、なぜ日本で市民権を得ることができないのでしょうか? もちろん、この疑問にはエアストリームだけでなく他のトレーラーハウスも含まれるのですが、その答えは日本の国土の狭さと牽引するための免許制度にあると言われています。

国土の広いアメリカでは牽引した状態でも邪魔になることはありませんが、車両の全長に加えて牽引するトレーラーハウスの長さを加えると、最低でも10m近くの全長になってしまいます。国土の狭い日本では駐車場問題や道路の狭さなどがネックとなり、普及にブレーキをかけているのは間違いありません。

オーニングを開いたエアストリーム

また、日本の免許制度では総重量が750kg以下のトレーラーであれば特別な免許は必要ありませんが、多くのトレーラーハウスはその範疇にはなく、実質的に牽引免許の取得が必要になると言うことです。法令上では750~2000kg未満のトレーラーを牽引する場合には、「牽引小型トレーラー免許(ライトトレーラー免許)」が存在しますが、自動車教習所では教習と試験が行われておらず、自分で車両を用意して運転免許試験場へと持ちこんで試験を受けなければなりません。

免許が無いから免許を取りに行くのに、どうやって試験場に持ち込めば良いのか? と言う理不尽な制度は実質的には“絵に書いた餅“であり、一般的には教習所に通い総重量2000kg以上のトレーラーを牽引する「牽引免許」を取得することになります。また、トレーラーハウスを牽引するためには、牽引する車両にヒッチメンバーと呼ばれる牽引用の器具を装備することが必須です。

日本では高い障壁があるエアストーム

アメリカでは一般的でも日本では制約に阻まれてしまい、メジャーな存在になりきれないトレーラーハウス。しかし、面倒な手間を克服してしまえば車両と居住スペースが一体化したキャンピングカーでは味わえない世界が広がります。

エアストリームの居住スペース

居住スペースとして専用設計された室内はヘッドスペースが十分に確保され、クルマに装備される“座席“ではなくリビング同様に設えた家具やベッド、キッチン、シャワールームは別荘感覚で使うことができるのです。とくにキャンパーたちの憧れでもあるエアストリームは、アルミパネルをリベットで留めた独特のスタイルが宇宙船のようでもあり、利便性と共に所有する満足感を与えてくれます。

牽引免許の取得やヒッチメンバーの装備、駐車場の確保など多くの障壁があるものの、エアストリームとの生活は人生を豊かにしてくれることは間違いありません。人生を謳歌したい、人とは違ったキャンプ生活を楽しみたいと願うのであれば、エアストリームは最高のパートナーになるはずです。

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