国際山岳看護師に聞く! 災害防災キットと一緒に備えておきたい「ファーストエイドキット」の中身を知る

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  • 自宅に備えておきたいエマージェンシーキット
  • 登山中の転倒事故
  • 虫刺されにあった腕
  • ダウンロードしておきたい緊急通報シート

  

アウトドアにおける持ち物の準備は、安全で楽しい体験のためには大切です。とくに、現場で「もしも」のときに役立つ応急処置セット=ファーストエイドキットの携帯は必須。基本の揃え方について、国際山岳看護師として山や医療現場で活躍するお二人に話を聞いてみました。

   

命をつなぐ「野外災害救急法」の考え方

  

外へ出かける前に、まずは応急処置=ファーストエイドの心構えを確認しましょう。自宅に準備している災害防災セットと同様に、みなさんは心のどこかで「自分に災害は起きない」と思っていないでしょうか?

アウトドアでも同じです。「ケガや事故は起きない」と思わず、家から一歩外へ出たらそこはもう野外。何が起きるかわかりません。たとえ設備が整ったキャンプ場であっても、もしものとき、救急車が10分以内に来るわけではありません。まずは、そのような環境下に行く自覚を持つことが大切です。

 

  

「私たちが提唱する野外災害救急法は、北米で『Wilderness First Aid』と呼ばれ、広く普及しています。日本語では『ウィルダネス状況下』と訳され、それは『傷病への決定的な処置(病院での医療的処置)を受けられるまで時間を要する状況』と定義しています」と国際山岳看護師の中村さん。

救急車が来るまでの間に、それぞれの事象に合った手当ができるように応急処置法を知り、ファーストエイドキットの使い方を知っておくことが大切です。単に物を揃えるだけではなく、講習会などで野外救急法を学んでおくと心強いでしょう。

  

ファーストエイドキットに正解はなし!

  

ファーストエイドキットの中身は、何人で、いつ(季節)、どこへ、何をするのかなどによって臨機応変に中身を変えてよいものであり、これが正解! という揃え方があるわけではありません。「次の例は、私たちが基本としている一例です」

 

[ファーストエイドキットの基本的な中身]

【01】ゴム手袋/出血時、直接血液(吐瀉物、体液なども含む)に触れると感染の恐れがあるため

【02】マスク・医療用テープ・ハサミ

【03】手指消毒液/基本は手指に使用。傷口などは水洗いを徹底することが重要で、消毒液に頼らないこと

【04】綿棒/傷口に砂利など異物が入った場合、それを掻き出すために使用

【05】テーピング/収縮性のあるもの。靴やギアのリペア用にも使える

【06】滅菌ガーゼ(大・中・小)

【07】ワセリン/やけど、切り傷、日焼けなどに万能

【08】穴の空いたペットボトルのキャップ/傷口などを洗うときに役立つ

【09】絆創膏(大・中・小)

【10】安全ピン(大きめで丈夫なもの)/腕のねんざ、骨折時に三角巾の代わりに衣服をまくり上げて止め、固定する

【11】ビニール袋/傷などの保護や、ゴム手袋の代わりなどに

【12】薬/痛み止めなどの服用薬は、自分が普段飲んでいるものを持参

【13】エマージェンシーシート/外気から身を守る。トラブルの起きた場所の気温が下がることもあるため

【14】カイロ/手足や体をを温めるため

【15】ライターと布ガムテープ/ガムテープを丸めて火をつけ着火剤のかわりに

  

三角巾の扱いは、さまざまな使い方があります。しかし、その方法を熟知していなければ、いざというときに活用するのは難しいので、保護や固定に使いこなせる人ならあってもOK。

そして、キットは防水性のあるものにまとめます。食品用のジップロックを使えば中身が見やすくて便利です。色が目立つバッグに入れた場合は、荷物のなかに紛れていてもすぐに見つけやすいというメリットがあります。

  

  

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