熊出没注意! 研究家に聞く自然のなかでクマに襲われないための知っておきたい【対策術】 vol.1

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いつどこの森林にもクマはいる

「クマは本来、臆病で人を避ける動物です。人を襲う理由のほとんどが、ふいに人と出遭ってしまいクマが恐怖で驚き、自身の安全を確保しようとする防御的攻撃か、またはブラウチャージと言われる威嚇攻撃を行うのです。それとはまた別に、小さな子グマを連れた母グマが人に遭遇した場合も、子を守ろうとして攻撃してくることはあります。母グマがよりナーバスになる時期という意味においては、冬眠明けに、母グマは穴で生んだ子どもを連れて出てくるため、出遭ってしまうと攻撃を受ける可能性が高くなることは考えられます」

 

 

クマに対して、とくに気をつけなければならない時期があるとは、一概にはいえません。危険度は、そのときのさまざまな状況や条件によって変わってきます。「今は、街の近くの森でもクマは出没します。本格的な登山ばかりではなく、山の麓でのキャンプ中にも、クマに遭遇する可能性はあります。『どんなに身近な森でも、そこに入ったらクマはいる』と考えてください」

次回は、事故に遭わないための具体的な対策について特集します。

 

■監修者:山﨑晃司
■プロフィール:
東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科森林生態学研究室教授。『ムーンベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ』(フライの雑誌社)など、主にツキノワグマに関する著書多数。

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