食卓に並ぶおいしいアイツ。海の中ではどうしている?【へんないきもの・クラゲ編 vol.05】

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  • 中華料理でもおなじみのクラゲ
  • クラゲ御膳
  • クラゲラーメン
  • ヒゼンクラゲ
  • ビゼンクラゲの仲間
  • エチゼンクラゲ
  • 和え物に人気のクラゲ

美しいクラゲですが、食材としても好まれます。よく食べるという人もいるかもしれませんが、一体、どの種類のクラゲを食べているかご存知ですか? 食べられるクラゲと食べ方について、日本海に面した庄内地方の豊かな自然の中にある鶴岡市立加茂水族館飼育課係長・池田周平さんにうかがいました。

味は淡白だけれど栄養価もしっかりある

クラゲを食べる習慣があるのは主に、日本や中国などのアジアで、西洋料理ではあまり使われてこなかったのだとか。でも、あのコリコリとした食感は、ついついクセになります。中華料理を食べに行ったとき、ビールのつまみに注文する人もいるのではないでしょうか。

あっさりとした淡白な味のクラゲですが、ちゃんと栄養価もあり、コラーゲンやナトリウムなどが豊富に含まれているそうです。低カロリーなうえ、コラーゲンが豊富なので、美容が気になるときにはうれしい食材だという人もいます。

ところで、クラゲはどの種類でも食べられるのでしょうか。

「加工する際に縮んでしまいますので、基本的に大型のクラゲを食用としています。また、食用としていない種類は加工してもおいしくないことが多いです」と池田さん。

ちなみに、食べられるクラゲは約10種類だとか。以下、食用としても有名なクラゲをご紹介します。

主に中国でよく食べられてきた「エチゼンクラゲ」

中華料理でよく使われるのがエチゼンクラゲです。故郷は東シナ海と言われ、日本海では対馬暖流にのって北上するのだとか。

「エチゼンクラゲは数年の周期で大量発生しています。非常に大きくなるクラゲですが、寿命は一年未満と考えられています」(池田さん)。大型のクラゲが大量発生すると、漁業者を悩ませることもあるそうです。

ただし、体はとても大きいのですが、96%が水でできているのだとか。中国やベトナムでは塩漬けなどにして食べる習慣がありますが、加工がしにくいことから、日本ではさほど食べられてはきませんでした。しかし、近年は食用にするためのさまざまな工夫が行われています。

PHOTO:鶴岡市立加茂水族館

                                  

【DATA】

エチゼンクラゲ

分類 刺胞動物門 鉢虫綱 根口クラゲ目 ビゼンクラゲ科 エチゼンクラゲ属

学名 Nemopilema nomurai

                                  

胡麻和えにしてもおいしい食用クラゲの代表格「ビゼンクラゲの仲間」

東アジアで古くから食べられてきたクラゲの一種がビゼンクラゲの仲間です。エチゼンクラゲ同様に大型のクラゲで、傘の直径は50cm前後あります。

「ビゼンクラゲの仲間は最高級の食用クラゲとして扱われ、有明海では漁業の対象となっています。アカクラゲと称され魚屋で販売されています」(池田さん)。

中華料理のほか、胡麻和えなどにも適しています。

PHOTO:鶴岡市立加茂水族館

                               

【DATA】

ビゼンクラゲ

分類:刺胞動物門 鉢虫綱 根口クラゲ目 ビゼンクラゲ科 ビゼンクラゲ属

学名:Rhopilema esculentum

                               

肉がやわらかめで刺身にしてもおいしい「ヒゼンクラゲ」

ビゼンクラゲと名前が似ていますが、こちらも食用で知られ、8~10月頃に有明海で漁業が行われています。

「傘径は70cmほどになり、傘の表面は固くざらざらしています。有明海ではビゼンクラゲの仲間を『アカクラゲ』と呼ぶのに対して、ヒゼンクラゲは『シロクラゲ』、と呼んでいます」(池田さん)。

PHOTO:鶴岡市立加茂水族館

ビゼンクラゲと比べると肉質はやや、やわらかいのが特徴で、ほかのクラゲと同じように塩蔵などの加工をされて食べられます。刺身としてもおいしいクラゲです。
                                       

【DATA】

ビゼンクラゲ

分類 刺胞動物門 鉢虫綱 根口クラゲ目 ビゼンクラゲ科 ビゼンクラゲ属

学名 Rhopilema esculentum

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