登山は暗くなる前に下山が鉄則です。岩や小石、木の根など足もとを脅かす登山道は、照明が必要な時間帯になると、自然の危険性をむき出しにしてきます。暗くなってからの下山は、キャリアの豊富な方でも避けるものですが、横浜市本牧にある神奈川百名山は舗装路を使って登下山でき、夜景を楽しんで月明かりの下で家路につける山でした。
港と高台の丘公園がセットの本牧にある神奈川百名山
横浜は港のイメージがスタンダードな街ですが、一方で坂の多い高台の街でもあります。JR横浜駅東側から始まるみなとみらい地区〜山下公園と中華街がある西区・中区は、港横浜を代表する地区ですが、西区には標高50mの丘である動物園のある野毛山公園があり、中区には女子人気の高い港の見える丘公園の山手地区があります。

また本牧の名勝地・三渓園が海岸に迫っている本牧臨海地区もあります。

中区にある2つの高台に挟まれるようにあるのが本牧山頂公園です。同公園内に神奈川百名山がそびえています。

本牧山頂公園は戦後アメリカ軍が接収した横浜海浜地区が1982年に返還され、その跡地を横浜市が整備した都市公園です。なだらかな丘の上に広がる公園は、敷地面積約23ヘクタールに及ぶ広さを誇ります。本牧港を前に東西に広がる公園は、聞くところによると距離にして約5.5kmという話です。
同公園は西側に本牧荒井の丘に始まり、順に東に向かってどんぐりの丘、まきばの丘、和田山の丘、観山広場(ひざくらの丘)と並びます。

ひざくらの丘では横浜緋桜の原木が植えられており、桜開花時期には濃い鮮やかな紅色の花を咲かせます。

緑の芝生地を縫う園内通路はすべからく舗装整地されているので、里山公園のような石や土による凹凸もなく、近隣の散歩の高齢者やランニングに勤しむ方の姿を多く見かけます。夕方になると園内通路はドッグショー会場かと思うほど愛犬家の方々が集まります。