紅葉狩りやキャンプから帰って数日後、腕や首筋に赤い発疹が出て、かゆみが止まらない。けれど、植物に触った覚えはまったくない。秋のアウトドアシーズンに、そんな経験をした人もいるのではないでしょうか。
アイシークリニック(医療法人社団鉄結会)が、秋のアウトドア活動後に植物かぶれを経験した全国の20〜60代男女300名を対象に行ったインターネット調査では、67.3%が「触った覚えがない」と回答しています。カギを握るのは、ウルシやハゼノキに含まれるウルシオールという成分の性質です。
本記事では、調査結果と同院の皮膚科医の解説をもとに、触れていないのにかぶれる理由と症状が出るまでの時間差、かぶれたときの対処、紅葉シーズンのアウトドアでできる予防策を順に整理します。
服やリュックを介して肌に移るウルシオールの性質
原因となるウルシオールは、ウルシやハゼノキ、ヌルデなどウルシ科の植物に含まれる油溶性のアレルゲン物質です。皮膚に付着するとたんぱく質と結合してアレルギー反応を起こし、強いかゆみを伴う赤み(紅斑)や水疱を生じさせます。なかでも注意したいのがハゼノキ。同院によると、ハゼノキは秋に美しく紅葉することから紅葉狩りの名所に多く自生しており、知らずに触れてかぶれるケースが多いといいます。

では、なぜ触れていないのにかぶれるのでしょうか。皮膚科医として15年以上の臨床経験を持つ同院の髙桑康太医師は、「ウルシオールという成分の特性を理解すれば十分に説明がつく」と指摘します。ウルシオールは油溶性で衣服や道具に付着しやすく、長時間活性を保つため、植物そのものに触れなくても間接的に皮膚へ移るのだといいます。同医師が挙げる経路は、紅葉した葉を拾った子どもの手から親へ、リュックサックの外側から腕へ、ペットの毛から飼い主へ、といったものです。
キャンプでいえば、身に着けている服だけでなく、背負ってきたリュックや持ち帰った道具、一緒に出かけた愛犬も、かぶれを運ぶ経路になりえます。
2〜3日たってから現れる発疹と遅延型アレルギーの仕組み
かぶれの原因に気づきにくいもう一つの理由が、症状が出るまでの時間差です。同院の調査でアウトドア活動後に症状が出るまでの時間を尋ねたところ、78.0%が「2〜3日後」と回答し、当日中に症状が出た人は1割に届きませんでした。土日の行楽なら、症状が現れるのは週の半ばごろという計算になります。

髙桑医師によると、これは遅延型アレルギー反応の特徴だといいます。初めてウルシオールに接触した場合は1〜2週間後に感作(体がその物質に反応する状態になること)が成立し、2回目以降の接触から24〜72時間後に症状が現れる仕組みです。同医師は、この時間差があるために「何が原因かわからない」という状態に陥りやすいと説明しています。
帰宅して数日たち、行楽のことを忘れかけたころに出る発疹。紅葉狩りやキャンプの後にかぶれが出た場合は、出かけた先の植物が原因の可能性も頭に入れておきたいところです。

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